あなたを捨てた、両親の名づけたその名を捨てようとは、思わ
なかったのですか？
思いました
代謝機能の問いかけに、嘔吐は素直に頷く。
けど捨てられませんでした
俯いたまま、自分の両手を見つめた嘔吐が、過去を思い返すように、
そっと目を細める。
この名前だけが嘘の言葉を残して消えた両親が、私に与えてく
れた
嘔吐
ただ一つの、真実だったから
今も嘔吐の胸に残る、名を呼ぶ両親の声。
そうですか
嘔吐のその言葉は偽りには到底、聞こえず、代謝機能も納得した様子で
頷いた。
何も弁解することはありません
迷うことのない表情を見せた嘔吐が、まっすぐに代謝機能を見つめる。
一度、捨てた命です死すら、恐ろしくはありません
光のない瞳が、ただ前だけを見る。
早く、罰をお願いします
罰を求める嘔吐に、代謝機能はそっと目を細めた。
そう、死を望むような言葉、仰らないで下さい
そんな嘔吐へと、代謝機能が優しく微笑みかける。
そんなことを言っては、必死にあなたを助けた、彼らの努力が、
無駄になってしまいますわ
彼らっ？
嘔吐の足元の方を振り向く代謝機能につられ、嘔吐も視線を動かしていく。
あっ
視線を移した嘔吐は、大きく目を見開いた。
長命草が呼んだのは、糸こんにゃくだぁ！バカ親高血糖ぃ！くかぁー！く
かぁー！
くぅくぅヒト、ミ
ううぅこんな長命草が寝ちゃってすみませんっむにゃむにゃっ
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